こんにちは！マイです！
ハイどうも、ひげマスターです。
今回オススメするのは海外ドラマ
『アトランタ』
ゆるい日常系コメディでありながら、その日常に潜む社会問題をも鋭い皮肉で笑いに変える、良質なドラマです。
日本での知名度はあまり高くない作品ですが、実は監督を務めているのは日本人なんですよ！
基本情報
原題：Atlanta
製作国：アメリカ
公開年：2016年〜
ジャンル：コメディ、ドラマ
監督：ヒロ・ムライ、ドナルド・グローバーほか
出演：ドナルド・グローバー、ブライアン・タイリー・ヘンリー、レイキース・スタンフィールド、ザジー・ビーツ
シーズン数：2（シーズン3＆4製作予定）
1シーズンあたりの話数：10〜11話
各話の長さ：23〜35分
概要：ラッパー「チャイルディッシュ・ガンビーノ」としても活躍する脚本家で俳優のドナルド・グローバーが主演、脚本、製作総指揮、監督の4役をこなすコメディドラマ。ガンビーノのミュージックビデオを手掛ける日系アメリカ人、ヒロ・ムライが多くのエピソードで監督を務める。
あらすじ：アトランタに住む青年アーンは、恋人と幼い娘がいながらも貧しい生活から抜け出す方法を見つけられないでいた。ある日、いとこのアルフレッドがラッパーとして活動していると知ったアーンは、彼のマネージャー業を買って出る。
ポイント＆ストーリー
平凡で典型的な現代の若者の日常...から目が離せない！
舞台はアメリカ南東部、ジョージア州アトランタ。物語の主人公は黒人青年のアーンです。
アーンは主人公でありながら何か特別な才能があるでもなく、個性的でもない、優しいけど平凡な人物として登場します。付かず離れずの恋人ヴァンと幼い娘ロッティがいるものの同居はしておらず、円満な家庭とは言い切れません。
仕事も、住む場所も安定しない、冴えない毎日を送るアーン。かと言って、貧乏暮らしから抜け出すために猛勉強しているとか、給料のいい仕事を必死に探している様子はなさそうです。
引用元：IMDb
この、ある意味で現状を受け入れているというか、達観しているかのようなアーンの性格がいかにも現代の若者らしいんですね。
困難に立ち向かうとか、野望を達成するとか、ほとんどのドラマの主人公に備わっている秘められたパワーみたいなものがなく、それがかえって共感しやすい主人公像を作っています。
ストーリーの中の"日常"の面白さ
いとこのアルフレッドがラッパーの「ペーパーボーイ」として活動しており、ネット上で有名になりつつあると知ったアーンは、勝ち馬に乗る腹づもりで彼のマネージャーになろうとします。
アルフレッドはあっさりとアーンの甘い考えを見抜きますが、親戚のよしみもあり、マネージャーを任せることにするのでした。そして、ここから彼らの運命が大きく動き出す...わけでもないんです。
本作は無名の若者が音楽業界でのし上がっていくとか、スターゆえの葛藤を描くとか、きらびやかなショービジネスの裏では醜い争いが繰り広げられますよ、みたいな「業界もの」ではありません。あくまでも日常の中での何気ないやり取りにフォーカスしています。
引用元：IMDb
ストーリーが面白いと言うより、登場人物の話それ自体が単純に面白いんですね。話の内容は人種問題から日常のあるあるネタまで様々ですが、どれも相槌を打ちたくなるようなものばかり。普通に聞き入ってしまうと言いますか...
面白い人の話って、内容が普通でもついつい聞いちゃいますよね？あの感覚をドラマの中で再現してるような感じです。
そして、長くても30分そこそこという絶妙な短さ。それ故にテンポもよく、1話ごとのまとまりも良いんです。いくら会話パートが面白くても、それを1時間もやったらダレちゃいますからね。この短さが丁度いいんです。
キャスト&キャラクター
才能の塊！ドナルド・グローバー
主演のドナルド・グローバーは俳優業だけでなく、コメディアン、脚本家、プロデューサー、監督、ラッパーと多方面で活躍し、そのいずれにおいても成功を収めています。
俳優としては本作の演技でゴールデングローブ賞やプライムタイム・エミー賞の主演男優賞を受賞したほか、『ハン・ソロ／スター・ウォーズ・ストーリー』のランド・カルリジアン役（画像参照）、フルCG版『ライオン・キング』の主人公シンバ役など、大作に主要キャストとして出演。
引用元：IMDb
ラッパーとしては「チャイルディッシュ・ガンビーノ」名義で活動し、2018年の大ヒット曲"This Is America"は第61回グラミー賞において最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀ラップ/歌唱パフォーマンス賞、そして最優秀ミュージックビデオ賞（詳しくは後述します）の4冠を達成。
監督としても優秀で『アトランタ』ではいくつかのエピソードを担当し、特に評価の高いシーズン1の第7話においてはプライムタイム・エミー賞の監督賞を受賞。（つまり主演男優賞とのダブル受賞！：画像参照）
脚本業に至っては大学生の頃から既にテレビドラマ『30 ROCK』の脚本を執筆しています！
引用元：THE ATLANTA VOICE
とにかくスゴすぎる経歴の持ち主、ドナルド・グローバー。今後も彼の生み出すエンターテインメントが注目の的であることは間違いないでしょう！
活躍の場を広げる主要キャストたち
主演のドナルド以外の主要キャストとして、以下の3人が登場します。
本作のヒットを受けて人気上昇中の彼ら。他の作品で見かけることも増えてきました。
ヴァン役：ザジー・ビーツ
ヒロインであるヴァンは、アーンとの微妙な関係に苦悩します。しかしながら、海外ドラマにありがちな「視聴者をイライラさせるだけの恋愛要素」ではなく、物語に必要な一つの原動力として描写されます。
引用元：IMDb
ヴァンを演じるザジー・ビーツは『デッドプール2』『ジョーカー』と２つのアメコミ大作に出演し、知名度を大きく上げています。
「ペーパーボーイ」ことアルフレッド役：ブライアン・タイリー・ヘンリー
大人しいアーンに対し、ラッパーらしい強気の言動が目立つアルフレッド。ファンや世間に媚びないタイプですが、それが原因でトラブルになることも。しかしながら意外に面倒見が良く、ラップに関しても真面目な人物です。
引用元：IMDb
演じるブライアン・タイリー・ヘンリーは『ゴジラVSコング（原題）』やマーベル作品『エターナルズ』といった大作に主要キャストとして出演しています。ザジーとの共演シーンはありませんが、『ジョーカー』にも精神病院の職員役でチラッと出ていますね。
ダリウス役：レイキース・スタンフィールド
よく大麻を吸っているせいなのか、フワフワした口調で哲学的なことを喋るダリウス。独特な感性の持ち主で、彼の奇抜なファッションセンスにも要注目です。物語に脱力と癒しを加える存在。
引用元：IMDb
演じるレイキース・スタンフィールドはハリウッド版『デスノート』で名探偵「L」を演じたほか、傑作ホラー『ゲット・アウト』などの話題作に幅広く出演しています。
日本出身の監督、ヒロ・ムライ
『アトランタ』（シーズン1〜2）のエピソードの3分の2は日系アメリカ人監督、ヒロ・ムライが手掛けています。
東京生まれのムライ監督は9歳の頃にロサンゼルスに移り住み、名門・南カリフォルニア大学の映画学部（全米最高の映画学部！）で学んだ後は数々のミュージックビデオを監督。中でも監督を務めた回数が最多のアーティストが、チャイルディッシュ・ガンビーノことドナルド・グローバーだったのです。
引用元：DEADLINE
ムライ監督の手腕を高く評価したドナルドは共同で『アトランタ』を製作・監督しますが、シーズン2放送中の2018年5月にリリースされたシングル"This Is America"によって世界の注目を集めます。
"This Is America"はアメリカで頻発する銃乱射事件や警察による暴力、黒人に対する人種差別をテーマとした楽曲で、そのショッキングで風刺に満ちたミュージックビデオは世界に衝撃を与え、"This Is Nigeria"をはじめとした「各国版」のパロディが作られるほどの一大センセーションとなりました。
ちなみに"This Is Japan"も作られましたが、社会問題を鋭く訴えた本家に対し、あまりにもお気楽な内容だったため大炎上。一日で削除されました...
ミュージックビデオとしては異例の暴力描写、暗示的に（あるいは明示的に）示される銃や人種差別、過去の銃乱射事件の引用など、重たい要素を軽快なリズムに乗せて表現したこの映像は極めて高い評価を受け、ムライ監督はグラミー賞・最優秀ミュージックビデオ賞を受賞しました。
"This Is America"と『アトランタ』が成功を収め、新作ドラマ『ステーション・イレブン（原題）』も控えるムライ監督。ハリウッドでは数少ない、日系フィルムメーカーの活躍に期待大です！
シリーズの今後
シーズン4まで製作決定！したものの...
本作の成功を受け、ドナルドとFX（本作を放送しているテレビ局）は独占契約を結び、シーズン3と4の製作が既に決定しています。
当初の予定では2019年にシーズン3が放送されるはずでしたが、スケジュールの都合で延期に。そこでFXは2020年にシーズン3と4をまとめて撮影し、2021年に連続して放送する予定であることを発表しました。
ところが新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、更なる延期に...
2020年10月現在、新たなスケジュールは発表されていません( T灬T )
まとめ
『アトランタ』管理人レビュー
人種差別や貧困などの社会問題を取り上げながらも、驚くほど肩の凝らない作風！皮肉や間の取り方にクスッとなるコメディ（ただしシーズン1の第7話は笑いが止まらない）。シリアスな部分の描き方も巧みで、トークショーやホラー仕立ての回など意欲的なエピソードも楽しめる。
観ないのは勿体ないと言える傑作だが、アメリカの文化や有名人を知らないと理解しづらいジョークなどがあるため、日本でのヒットは難しいかもしれない。
オススメ度：★★★★★
『アトランタ』はこういう人にオススメ
- 人種問題に関心がある
- 日常ものが好き
- 短めのドラマが観たい
- 皮肉の効いたコメディが観たい
レビューサイトでの評価
Rotten Tomatoes
批評家のスコアは何と97%。一般のスコアも89%と高評価。
引用元：Rotten Tomatoes
IMDb
8.6/10でほとんどが8点以上。(シーズン2終了時点)
引用元：IMDb
予告編
『アトランタ』が観られる動画配信サービス
Netflix
関連作品
Guava Island
ドナルド・グローバーとリアーナの2大スター共演で送るヒロ・ムライ初の長編作品です。『ブラックパンサー』で王女シュリを演じたレティーシャ・ライトも出演しています。
引用元：Amazon
