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『ドライヴ』:寡黙な男の純愛と暴力をスタイリッシュに魅せる!

特選!おすすめ映画
引用元:Yahoo!映画
特選!おすすめ映画
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マイちゃん
マイちゃん

こんにちは!マイです!

ひげマスター
ひげマスター

ハイどうも、ひげマスターです。

今回ご紹介するのは映画

『ドライヴ』

この作品、予告編を見て『ワイルド・スピード』みたいなカーアクション映画だと思って観に行ったら全然違う内容だったと、訴訟を起こした観客がいたという逸話もあるくらい静かな映画です。

確かに車がガンガンクラッシュして銃をバンバン撃ってドッカンドッカン爆発するような映画を期待したらちょっと違うかもしれませんが、最高に静かで、それでいて強烈で、カッコいい映画です!

基本情報

原題:Drive
製作国:アメリカ
公開年:2011年
ジャンル:サスペンス、バイオレンス、恋愛
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、ブライアン・クランストン、ロン・パールマン、オスカー・アイザック、アルバート・ブルックス
上映時間:100分

概要:デンマーク出身のレフン監督のハリウッドデビュー作で、カンヌ映画祭で監督賞を受賞し世界にその名を知らしめた作品。原作はジェイムズ・サリスの同名小説。

あらすじ:車の修理工や映画のスタントドライバーとして働きながら、裏社会では犯罪者の逃がし屋を請け負う一人の男。彼は同じアパートに住む人妻と恋に落ちるが、彼女の服役していた夫が出所し、そこに新たな逃がしの仕事が舞い込む。

ポイント&ストーリー

主人公がとにかく喋らない!

この映画の主人公はライアン・ゴズリング演じる寡黙な男。映画史上こんなに静かな主人公がいたか?と思えるくらい口数が少ないのです。

その寡黙さ故に終始ミステリアスな雰囲気が漂い、観客は彼が凄腕のドライバーであること以外ほとんど分かりません。

引用元:IMDb

感情をほとんど表に出さず、昼の仕事も夜の仕事も淡々とこなす男。そんな彼が同じアパートに済む人妻アイリーンと出会うことで、物語は思わぬ方向へと動き出します。

日本公開時のキャッチコピー「疾走する純愛」の通り、本作はラブストーリーでもあります。

贅肉を落とし切った100分間

本作の上映時間は100分間。ジェイソン・ステイサム主演映画並みの短さです。

この映画はとにかく余計なシーンがなく、説明くさいセリフなども一切ありません。ワンカット、ワンシーンにディティールを詰め込み、映像で物語を表現しています。

他の映画ならセリフや”つなぎ”のシーンで状況を説明するところも、本作では観客に行間を読ませるというか、想像力を引き出すことで短い上映時間に収めています。人によっては説明不足と感じるかもしれませんから、ここは好みが分かれるところでしょうか。

セリフ回しも映画の大きな魅力のひとつであるのは間違いないですが、本作に関してはセリフで聞かせるよりも映像で見せることに重きを置いた作りになっています。

俳優の表情であったり映し出される風景であったり...映像だけにすっかり集中できる映画というのもまた、味わい深いですよね!

静かな作風にマッチした楽曲

最も出番の多い主人公が無口なため、自然と全体のセリフ量も少なくなります。

そんな静かな作風とカッコいい映像も相まって、挿入歌が流れるシーンはさながらミュージックビデオの様相を呈しています。

特にオープニングクレジットで流れる"Nightcall"や、印象的に使われている"A Real Hero"は必聴です。

80年代に流行した電子音を多用している"Nightcall"は本作の世界観に絶妙にマッチ

キャスト&キャラクター

ライアン・ゴズリングの新境地

主演のライアンは子役時代を経て、『きみに読む物語』などの恋愛映画を中心に、どちらかと言うと優しくてナイーブな役柄でキャリアを築いていました。

しかし本作で見せる演技はそれまでと打って変わり、クールでタフな印象。血生臭いアクションシーンにも挑戦しています。

先述の通り非常に寡黙な役柄であり、ほとんどのシーンで無表情です。しかし本編を観ていると、全く無感情なキャラクターではないことも分かってきます。特に注目すべきはその眼差し

ジッ...と静かに人の顔や車の行き先を見つめるのですが、そこで僅かな感情を表現しています。

引用元:IMDb

本作の演技でライアンの新たな魅力が発揮されましたが、逆に「孤独な一匹狼」のイメージが強く残った感もあります。その後の出演作品を見るに、彼のキャリアのターニングポイントとなった作品と言えそうです。

登場人物は少ないものの実力派が揃う

可憐で憂いのある表情のキャリー・マリガンや、安定の演技力のブライアン・クランストン、ロン・パールマンもいつも通り粗暴な人物を演じています。今やトップスターのオスカー・アイザックも、本作で頭角を現してきています。

特に、バーニー役のアルバート・ブルックスが良かったですね。シンプルに悪いやつというか、時代劇の悪代官のような清々しさを感じました。何だかんだで一番怖いのはこういう人な気がします。

引用元:IMDb

いい役者さんなのにあまり出演作品を観たことがないなぁと気になって調べたら、声優も監督も脚本もこなすマルチタレントな方でした。本作の演技とアニメ作品での声の演技とのギャップがすごい...

デンマークの鬼才、ニコラス・ウィンディング・レフン

祖国デンマークで製作したバイオレンス映画が高い評価を得ていたものの、本作によって世界中の映画ファンの注目を集めることになったレフン監督。

引用元:IMDb

しかしながら、2011年の本作以降にメガホンをとった作品は映画『オンリー・ゴッド』『ネオン・デーモン』とドラマ『トゥー・オールド・トゥー・ダイ・ヤング』の3作のみ(2020年現在)。

特に『オンリー・ゴッド』については主演のライアン・ゴズリングと再タッグを組んだ作品で、「第2の『ドライヴ』が観れるかも!?」と期待して劇場に足を運んだ方も多いのでは?私もそうでした。

ひげマスター
ひげマスター

主演予定だった『ホビット』三部作や『美女と野獣』のルーク・エヴァンズがスケジュールの都合で降板したために、ライアンが代役を務めたらしいよ。

しかしながらその内容は、あれれれ...

タイ人のおじさんが無双するだけの映画でしたが、暴力描写や夜の街の陰影など、『ドライヴ』と通ずるものはあったと思います。

引用元:IMDb

レフン監督は中間色が見えづらい色覚障害を持っているそうで、それ故に原色を多用するとのこと。『ドライヴ』ではハリウッドデビュー作だからか控えめの色遣いでしたが、極彩色の世界こそが彼の真骨頂なのかもしれません。(上記画像は『オンリー・ゴッド』の1シーン)

ちなみにデンマークでの代表作『プッシャー』シリーズには「デンマークの至宝」とも称される俳優マッツ・ミケルセンも出演しています。

引用元:Rotten Tomatoes

マッツはレフン監督と何度も仕事をしていますし、いつかレフン作品でライアンと共演なんてこともあるかもしれませんね!

筆者がロケ現場に遭遇した話

本作の全米公開が2011年9月で、撮影は2010年にロサンゼルスで行われています。

留学生だった僕は当時ロサンゼルス郊外に住んでいて、ある日の夜に車で学校から帰る途中、4台ほど並んで停められた中型トラックから、何やら機材のようなものを運び出している現場に遭遇しました。

僕はすぐに何らかの撮影だと思いました。なぜならハリウッドを擁するロサンゼルスは撮影のメッカで、商業映画にしろ学生映画にしろ、街中で撮影クルーを見かけることはそう珍しいことではありませんからね!

トラックの荷台が開いていたのでチラリと中を覗くと、撮影機材やら小道具やらがビッシリ。その装備の充実ぶりからして「学生映画ではなさそうだな」と思いつつその場を後にしました。

ひげマスター
ひげマスター

徒歩だったら野次馬してたかも...
ちなみに俳優の姿は見えませんでした。

そして約1年後、映画館で本作を鑑賞中、あるシーンを見て「あっ!もしかしてあの時の!?」と記憶がよみがえりました。

引用元:IMDb

映画を観終わってから自宅で記憶を頼りにGoogleストリートビューを確認すると、1年前に通りかかったあの場所であることを確信しました。

↑ピザ屋は撮影用に改装してありますが、横に並んでいる店の看板などが一致しているのがお分かり頂けるでしょうか。

自分が住んでいた場所の近くでたまたま見かけたロケ現場が、自分の大好きな映画のものだったと分かったとき、何とも不思議で嬉しい気持ちになったのをよく覚えています。

ひげマスター
ひげマスター

映画のオススメ記事なのに個人的な話でごめんなさい。

続編のウワサ

高い完成度を誇る本作ですが、実は続編が作られるのではと噂になりました。というのも理由は単純で、映画公開の翌年に原作小説の続編が出版されたからです。

原作が発表されたのが2005年でその映画版が2011年、そして続編小説「ドリヴン(原題)」が2012年に出版されています。内容は前作の7年後を描いたものだそうです。

実際、原作者のジェイムズ・サリスも続編映画の企画があったことを認めていますが、実現には至らず。加えて、レフン監督も製作の意思がないことを断言しています。(詳しくは映画.comさんの記事をご覧下さい)

続編の企画があっても実現しないのは、ハリウッドではよくあること。また仮に実現しても、前作を越えられるとは限りません。

そういう意味では続編がなくなったことは良かったことなのかも。万が一、全く別の監督や俳優を起用して製作されたとしても、それは正統な続編とは言えないでしょうし...

まとめ

『ドライヴ』管理人レビュー

REVIEW

とにかく映像と音楽がスタイリッシュ。ドラマ性は低いが、それを補って余りあるカッコよさがある。寡黙で暴力的な作品でありながら、その細部までこだわった表現力に衝撃を受けた。最高に強烈な100分間。2011年のベストフィルム。

オススメ度:★★★★★

『ドライヴ』はこういう人にオススメ

RECOMMEND
  • 短めの映画が好き
  • ロサンゼルスを舞台にした作品が好き
  • サスペンス、バイオレンスが好き
  • カッコいい映像が観たい

レビューサイトでの評価

Rotten Tomatoes

批評家のスコアは92%。一般の観客からも高めの評価。

引用元:Rotten Tomatoes

IMDb

7.8/10で8点が中心。

引用元:IMDb

予告編

『ドライヴ』が観られる動画配信サービス

Netflix

Amazon Prime Video

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