こんにちは!マイです!
ハイどうも、ひげマスターです。
全作品が打ち切りになってしまった、Netflixのマーベルドラマシリーズを振り返る企画。今回はその第7回(最終回)です。シリーズ全体の総評と、打ち切りになった理由、そして今後の展開についてまとめました。
なおザックリした内容ではありますが、ネタバレを含みますのでご注意下さい。
Netflixマーベルドラマの時系列
確認のために前回の記事に戻るのも手間ですので、こちらにも時系列をまとめた画像を貼っておきます。
全体的な完成度
予算が足りていなかった
全作品を鑑賞して感じたのは、とにかく全体的に予算が足りていなかったということです。
スーパーヒーローたちがそのパワーで人々を助け、悪党を成敗するのがヒーローものの何よりの魅力のはずですが、肝心のパワーを描写するためのCGやワイヤーアクションは本当にごく僅か。アクションシーン1つ1つの出来は決して悪くないんですが、全体の尺に対してとにかく少なかった...
能力からしてCGやワイヤーがさほど必要ない『デアデビル』や、そもそもスーパーパワーを持たない『パニッシャー』に関してはアクションが足りない印象も薄かったんですが、それでもテンポの遅さを感じる部分はありました。
予算が足りない→アクションが少ない→会話のシーンが多い→テンポが悪い
こういう悪循環が起きたことが、作品の評価を下げてしまったのではないでしょうか。
あくまでもヒーローものですから視聴者が期待したのはやっぱりアクションでしょうし、なまじ映画シリーズが大成功したために視聴者の期待が大きくなりすぎたのも、アクションのショボさを感じさせる要因となったように思います。
予算が充分あれば、もっとダイナミックなシリーズになったと思うんですけど...
最近のドラマは映画並みの製作費をかけるものも多いから、視聴者の期待も大きくなっちゃうよね。
MCUの一部である意味は特になかった
これはHuluで配信されている『エージェント・オブ・シールド』にも言えることですが、NetflixマーベルドラマはMCUという共通の世界観を持ちながら、映画シリーズとの関連性がほとんど感じられませんでした。
『デアデビル』の記事でも触れたように、Netflixマーベルドラマは全て『アベンジャーズ』後の世界になっていて、人々は超人や怪物の存在を認識しています。
引用元:FANDOMWIRE
『デアデビル』に登場する新聞社「ニューヨーク・ブルティン」の社内に『アベンジャーズ』の戦いが新聞記事となって映っていたり、『アイアン・フィスト』に登場する女兵士ウォーカーは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に登場する架空の国ソコヴィアで戦っていたことがセリフから明らかになります。
でも本当にそれくらい!背景やセリフでチラッと匂わせるだけ!これではMCUの一部である意味がほとんどありませんし、設定としても活かされていません。
「MCUの世界観をもっと味わいたい」「映画が面白かったしドラマも観てみようかな」というMCUファンにとって、わざわざNetflixの月額を払って見る価値は薄かったように思えます。
デアデビルは本当にカッコよかった
Netflixマーベルドラマの中で最もカッコよかった作品は『デアデビル』で間違いありません。
ダークな世界観、派手すぎないスーツデザイン、主演チャーリー・コックスの盲目の演技、フィスクやブルズアイなどの魅力的な悪役。殺陣も本当に力が入っていました!
か弱い市民が危機にさらされたとき、颯爽と現れて悪党をなぎ倒し、風のように去っていく...そんなヒーローらしさが最も強い作品となりました。
引用元:IMDb
打ち切り決定後もファンから復活を望む根強い支持があり、主演のチャーリーやフィスク役ヴィンセント・ドノフリオも再演に意欲的とのこと。
現在、オンライン署名サイト「Change.org」にてNetflix、マーベル、ディズニー宛てにデアデビル復活を希望する署名活動が行われています。目標50万人に対し、当記事執筆時点(2020年12月18日)で42万人以上の署名が集まっています。
もっとデアデビルが見たい!という方がいらっしゃいましたら、署名にご協力頂ければ幸いです!
ベストシーズン・ワーストシーズン
管理人個人の感想にはなりますが、『ザ・ディフェンダーズ』を含む全13シーズンの中からベストシーズンとワーストシーズンを発表します。
ベストシーズン:『パニッシャー』シーズン1
アクションとストーリーのバランスが最も取れていたシーズンです。
フランク役のジョン・バーンサルもビリー役のベン・バーンズもそれぞれハマっていましたし、帰還兵の心の傷を描くストーリーもドラマチック、アクションもリアリティが感じられました。
引用元:IMDb
主人公のカッコよさでは『デアデビル』に及びませんが、シーズン単位の完成度で言えば『パニッシャー』シーズン1が最高だったと思います。
ワーストシーズン:『アイアン・フィスト』シーズン1
全体的にテンポの遅さが気になったNetflixマーベルドラマですが、『アイアン・フィスト』のシーズン1は輪をかけて遅かったです。全13話でしたが、3〜4話くらいで終わる話だったのでは...
主人公ダニーの要領の悪さ、なかなか鋼の拳を使わないじれったさ、悪役の地味さ、ヒーローものの割に困っている人を助ける描写の少なさなど、ダメな点ばかり目立ちました。
引用元:IMDb
また本作ではスーツ姿が見られなかったのも、原作ファンは不満だったようです。一応、回想シーンでそれらしいマスクを被るカットはありましたが...
Netflixマーベルドラマが打ち切りになった理由
視聴数が獲得できなかった?
基本的にアメリカのドラマは視聴率(配信ドラマであれば視聴数)がよければ何シーズンでも続きます。
続きすぎてつまらなくなっていくドラマ、クオリティを維持し続けるドラマ、クリエイターの意向が通ってキレイに完結するドラマなど様々ですが、ただ一つ間違いないのは数字が取れないドラマはすぐ打ち切りになるということです。
引用元:IMDb
ではその点、Netflixマーベルドラマはどうだったのか?答えはわかりません。
まとめの記事なのにわかりませんって何だよって感じですが、実はNetflixは2012年以来、視聴数を公表していなかったのです。
しかし2019年度になって、初めて人気動画ランキングが発表されました。ただマーベルドラマはいずれもトップテン圏外で、そもそも打ち切りになったのは2018年末の話なので、2019年度の数字を見ても意味がなく...
ただ、数字を見なくても人気作品の『ストレンジャー・シングス』や『13の理由』ほど話題になっていないのはSNSなどを見ても明らかだったので、少なくともNetflixと言えばマーベル!と言えるような視聴数は獲得できていなかったと思われます。
Disney+は打ち切りの要因であり、再開の希望でもある
Netflixのマーベルドラマは全て、マーベルの子会社であるマーベル・テレビジョン社とABCスタジオの共同製作です。
マーベル・テレビジョンはNetflix以外のプラットフォームでもドラマを製作しているマーベルのドラマ担当で、『アベンジャーズ』などを製作しているマーベル・スタジオはマーベルの映画担当でした。
要するに、映画とドラマは別々の会社が作っていたわけですね。
マーベルの親会社であるディズニーが独自の動画配信サービス「Disney+」のサービスを開始したのが2019年11月、そして翌12月にマーベル・テレビジョンがマーベル・スタジオに吸収合併されています。(その後、マーベル・TV・スタジオ部門として再始動)
ドラマが映画ほど成功していなかったこと、Disney+でドラマを配信できるようになったこと、1つの会社で作るためクオリティの統一ができること。これらの理由からマーベルにとってはベストの判断だったように思います。
他社から権利を取り戻したマーベル・スタジオが、打ち切りになった作品を再開させるかはまだわかりません。しかし映画シリーズにしろDisney+オリジナルドラマにしろ、新作を作る可能性があるのは現状マーベル・スタジオだけです。
既存のドラマファンはマーベルとディズニーの動向に注目することになりそうですね。
予算のことを考えると、ディズニーの巨大資本があった方がクオリティは上がりそうですけど...
あとはディズニーのお偉方の判断次第ってことかなぁ。
まとめ
- 予算不足による物足りなさ、テンポの遅さはあったものの、クオリティは悪くなかった
- デアデビルを中心に、一定のファン層を生み出した
- 打ち切りの理由は視聴数の低迷とDisney+立ち上げが重なったため
- 権利はマーベルに戻っており、シリーズ再開の可能性は残されている
全7回で振り返った、Netflixの打ち切りマーベルドラマシリーズ。
記事の執筆にあたって一部のエピソードを見直しましたが、クオリティは決して低くなかったと改めて思いました。
せっかく視聴枠に囚われない「配信」という手法を採っているのだから、予算が足りないのであれば思い切って話数や尺を削ってしまえばテンポもよかったのではと素人ながらに思います。ただ、発注あっての製作でしょうから、そう単純なものでもないんでしょうね...
キャラクターが映画やDisney+で復活する可能性はゼロではないため、署名やSNSなど、出来る範囲で応援していきたいなと思います!