こんにちは!マイです!
ハイどうも、ひげマスターです。
今回ご紹介するのは映画
『パシフィック・リム』
日本を代表するポップ・カルチャーである怪獣映画やロボットアニメをもし実写化したら...そんな夢がハリウッドで実現!アメリカ発のオリジナル作品でありながら日本の名作たちへの深い愛情が感じられる、世界中のオタク感涙の痛快エンターテインメントです!
基本情報
原題:Pacific Rim
製作国:アメリカ
公開年:2013年
ジャンル:SF、アクション
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム、菊地凛子、イドリス・エルバ、チャーリー・デイ、バーン・ゴーマン、クリフトン・コリンズ・Jr、ロン・パールマン、芦田愛菜
上映時間:132分
概要:オタク監督ギレルモ・デル・トロの怪獣映画愛が炸裂するSFアクション巨編。陸海空を股にかけ、巨大ロボットと怪獣のバトルが展開する。
あらすじ:太平洋沖の深海から出現した怪獣によって滅亡の危機に瀕した人類は、巨大ロボット兵器イェーガーで対抗。イェーガーの優秀なパイロットの青年ローリーは、同じく高いパイロットの資質を持つ女性マコと出会い、人類の存亡をかけた戦いに挑む。
ポイント&ストーリー
巨大なロボットと怪獣の重厚感溢れるバトル
物語は作品の公開年と同じく2013年、太平洋沖の深海に地球と異世界とを繋ぐ次空の裂け目が発生するところから始まります。そこから出現した巨大生物”KAIJU(怪獣)”によって滅亡の危機に瀕した人類は、巨大人型ロボット”JAEGER(イェーガー)”を建造して立ち向かい、一定の戦果を挙げていました。
英語版でもMONSTER(モンスター)ではなくKAIJU(カイジュー)と呼ぶあたりに、怪獣映画への敬意が感じられますね!
しかしイェーガーの建造には莫大な費用がかかる上に、徐々に脅威を増す怪獣たちに対抗できなくなっていきます。やがて各国政府はイェーガー計画の中止を決定しますが、かつて優秀なパイロットだった青年ローリーは廃棄されずに残っていたイェーガーの内の1機に乗り込み、最後の望みをかけた戦いに挑むのでした。
引用元:IMDb
本作で描かれるイェーガーvs怪獣のバトルは、スピード感やスタイリッシュさはほとんどありません。その代わりにズシンズシンと重たそうに歩き、巨大な腕を思い切り振り上げ、力任せに振り下ろすような泥臭い戦い方をします。
この泥臭さこそ本作の真骨頂で、「ゴジラ」「ウルトラマン」シリーズに代表される特撮怪獣映画と「パトレイバー」「マジンガーZ」などのスーパーロボットアニメで見られるような「巨大なものがダイナミックに動く躍動感」を完璧に再現しています。
とりわけ、一歩歩くごとに地面や建物がグラグラ揺れるような足音の重低音が素晴らしいです。アクション映画は劇場の大スクリーンとスピーカーで観る方が臨場感を感じられるものですが、この作品は重厚感を味わう上で特に映画館向きの作品だと言えるでしょう!
ハリウッド版ゴジラも1998年版より2014年版の方がドッシリしててゴジラらしいですよね!
巨大なものを描くって、単にサイズを大きくするだけじゃ伝わりにくいものなんだね。
1機のイェーガーにパイロットは2人!
本作の設定の肝と言えるのが、1機のイェーガーを2人のパイロットが操縦する点です。神経を接続して操縦するシステムのイェーガーは1人だと神経への負担が大き過ぎることから、2人のパイロットが心身を同調させて操縦します。
心身を同調させるということはパートナーの感情や記憶も共有するということであり、これがエモーショナルなドラマへと繋がります。ダイナミックなアクションシーンだけでなく、それを引き立てるストーリーがあることも本作の魅力の一つです。
引用元:IMDb
耳に残るメインテーマ
音楽を担当しているのはドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』などで知られるラミン・ジャヴァディで、イェーガーや怪獣の強さ・巨大さを見事に表現しています。
特にメインテーマのエレキギターの響きがカッコよく、映画を見終わる頃にはメロディがしっかり耳に残っているはずです。
キャスト&キャラクター
魅力的なキャラクターたち
主人公のローリーはややパンチに欠けるものの不屈の精神と正義感を持った主人公らしいキャラクターで、ドラマ『サンズ・オブ・アナーキー』の主人公ジャックス役チャーリー・ハナムが演じています。
そしてローリーよりもカッコいいのはイドリス・エルバ演じるペントコスト司令官!ローリーとマコを厳しく導く役どころで、威厳と迫力のある演技で強い存在感を発揮しました。
引用元:IMDb
そしてコメディリリーフとして登場するのが、ニュートとハーマンの博士2人組です。特にニュートはデル・トロ監督のオタクっぷりをそのまま反映させたようなコミカルなキャラクターで、真面目なハーマンとの掛け合いはバトルの緊張感を和らげてくれます。
登場シーンは多くないもののデル・トロ作品の常連であるロン・パールマンも登場し、いつも通りの豪快な演技で作品を盛り上げます。
日本からは菊地凛子と芦田愛菜が参戦!
映画『バベル』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊地凛子は海外からも注目され、その高い英語力を活かしてハリウッド映画にも多数出演しています。
菊地凛子が演じるマコはヒロインでありつつ、ローリーと共に戦うパートナーであり、またペントコスト司令官の養子でもある非常に重要なキャラクターです。また、その幼少期を撮影当時わずか7歳の芦田愛菜が演じたことでも話題になりました。
引用元:IMDb
並み居るハリウッドスターの中で主役級の活躍!やはり日本人の観客としては、日本の俳優がハリウッドで活躍しているのは嬉しいものですね。
吹き替え版もアツい!
本作は吹き替え版もオタクにとってアツいキャスティングとなっていて、「ガンダム」シリーズの古谷徹や池田秀一など日本のロボットアニメで活躍した声優が出演し、一部のセリフが引用されているほどです。
またローリーを演じた杉田智和もオタクとして知られていて、登場するイェーガー「ジプシー・デンジャー」の装備の一つ「エルボーロケット」は彼の案で「ロケットパンチ」に差し替えられたと言います。
一応ご存知でない方のために補足すると、ロケットパンチはロボットアニメ『マジンガーZ』に登場する武器ですよ。
ハリウッドきってのオタク監督、ギレルモ・デル・トロ
本作を手掛けたギレルモ・デル・トロ監督は元々特殊メイクアーティストとしてキャリアをスタートさせました。よって監督作でもクリーチャーデザインには特に力が入っており、『ヘルボーイ』や『パンズ・ラビリンス』でもそのデザインセンスが遺憾なく発揮されていました。
当然本作においても怪獣のデザインには随所にこだわりが見られ、動物や昆虫を思わせる外見からグチョグチョの内蔵や脳に至るまで、デル・トロ監督の好きそうなクールでグロテスクなデザインに満ち溢れています。
引用元:IMDb
筆者は運良く本作のジャパンプレミアに当選したのですが、舞台挨拶で司会者から「日本滞在中にどこに行かれましたか?」と質問されて、監督は「中野ブロードウェイです」と即答して会場の笑いを誘っていました。まさに生粋のオタク!
続編『パシフィック・リム:アップライジング』について
1作目はアメリカ以外でスマッシュヒット
本作はまさしくオタク監督によるオタク映画であり、オタクのハートに刺さる作品となりました。
ただ残念ながら制作費1億9000万ドルに対してアメリカ国内の興行収入は1億ドルに届かず。それでも中国を筆頭にアメリカ以外で大健闘し、最終的な世界興収は4億ドルに達しました。
これを受けて続編の企画が始動し、デル・トロ監督も続投するということで「またイェーガーと怪獣の重厚感溢れるバトルが見られる!」と胸を踊らせた方も多かったはずです。少なくともこの時点では...
続編が作られるまでの紆余曲折
2015年、製作のレジェンダリー・ピクチャーズと配給のユニバーサル・ピクチャーズとの間で続編の企画をめぐって対立が生じ、2017年の公開予定は無期限延期となりました。
延期となっている間にレジェンダリーは中国の大連万達グループに買収され、デル・トロ監督は『シェイプ・オブ・ウォーター』に取り掛かるために降板してプロデュースに回ることになりました。更に主演のチャーリー・ハナムもスケジュールの折り合いがつかず降板...
こうして新たな監督スティーヴン・S・デナイト(マーベルドラマ『デアデビル』)指揮のもと、中国資本によって続編『パシフィック・リム:アップライジング』が製作されることになったのです。
続編は正真正銘の駄作
『アップライジング』の舞台は1作目の10年後、ペントコスト司令官の息子ジェイクを主人公として新たな物語が展開します。
引用元:IMDb
ヒロイン・マコを演じた菊地凛子や博士2人組など一部のキャストも続投し、お馴染みのBGMに乗せてイェーガーと怪獣が戦う...一見すると正統な続編のように感じられます。
しかし実際のところ、巨大ロボットと怪獣の重厚感、2人のパイロットが心を一つにして戦う描写、個性的なサブキャラクターなど、前作で魅力的だった部分は全て失われ、代わりに取ってつけたような薄っぺらい新要素を並べただけ+予算を出した中国に媚びを売りまくりの正真正銘の駄作となってしまいました。
「1作目が面白くても2作目はつまらない」というのは続編あるあるではありますが、そもそもデル・トロ監督が降板した時点で別物と考えてよかったのかもしれません。
やっぱり映画って監督のものなんですねぇ...
プロデューサーとして参加するだけじゃ内容に深く関われないってことかな。
Netflixにてアニメ版が配信決定!
Netflixオリジナルアニメシリーズ『パシフィック・リム:暗黒の大陸』が2021年春に独占配信されることが決定しています。
パイロットの兄妹が怪獣と戦いながら行方不明の両親を捜すストーリーとなるようで、実写映画との関連性は不明です。(2020年11月現在)
アニメーション制作は『シドニアの騎士』『亜人』『GODZILLA 怪獣惑星』などの3D作品を手掛けた日本のアニメスタジオ、ポリゴン・ピクチュアズが担当しています。
まとめ
『パシフィック・リム』管理人レビュー
『パシフィック・リム』はこういう人にオススメ
レビューサイトでの評価
Rotten Tomatoes
批評家のスコアは72%、一般のスコアは77%と上々の評価。
引用元:Rotten Tomatoes
IMDb
6.9/10で7点を中心としつつ、10点満点も約1割。
引用元:IMDb